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2017年3月 9日

人件費を考える コストから成長投資へ 大和ハウス、戸田建設等

 昨日(8日)の日経朝刊 第17面に記事掲載されました。

 会社の経費の大半を占める人件費。これまで企業は抑制すべきコストととらえ、不況時にはリストラの対象にしてきました。しかし少子高齢化に直面した今、人件費は成長に必要な「投資」に変わりつつあります。使い方を磨けば、稼ぐ力を高められるからです。
 
 大和ハウス工業は2015年3月期に、支店単位で決める賞与の算定基準を「社員1人当たり利益」から「社員が働いた1時間当たりの利益」に切り替えました。これで「支店長の意識ががらりと変わった」(人事部の菊岡大輔次長)。

 従来は少ない人数で利益を伸ばせば評価が上がるため、残業が多くなりがちでした。新しい評価方法では残業はマイナスに働くので、部下への適正な仕事の割り振りやはかどり具合への目配りが支店長の腕の見せどころになりました。

 その効果はてきめんで2016年3月期の残業時間は基準変更前の14年3月期に比べて約2割も減少しました。残業できなくなった分、社員は仕事の効率を意識して働くようになり、営業利益は2431億円と過去最高を記録。社員の賞与も増え、改革は労使双方にとって吉と出ました。

 大和ハウスは「モーレツ」の社風で知られています。それがあだとなって、2011年に労働基準監督署から時間外労働の管理が不十分と是正勧告を受けました。未払い賃金を損失計上したうえ、学生にそっぽを向かれかねない状況に陥り「人材不足が成長の足かせになる」(菊岡次長)という危機感が背中を押しました。

 団塊世代の大量退職を迎え、人材不足の解消は企業の悩みのタネでした。そこに政府が働き方改革を打ち出し、呼応するように企業は対策を練り始めました。キーワードは、従業員1人がどれだけ値打ちのある仕事をし、利益を稼いだかを示す「生産性」です。

 戸田建設は独自の生産性の目標を2018年3月期までの経営計画に埋め込みました。従業員1人あたりの人件費と営業利益の合計が、2015年3月期比13%増の1300万円になるようにする。さらに今期は「1時間あたり生産性」も加え、支店や従業員の評価の物差しにする。

 目標を現場に投げっぱなしにせず、受注の選定作業を支店から本社に移し、建設現場では人工知能(AI)を活用して資材を管理する。「安全性や顧客満足を満たしながら、生産性の最大化を目指す」と鞠谷祐士専務執行役員。

 カゴメは社員の総労働時間あたり利益目標の導入を検討します。現行の中期計画に自己資本利益率(ROE)の目標はありますが、生産性は意識していませんでした。4月に在宅勤務制度を入れ、導入に向けた地ならしを始めます。

 上場するニッポン株式会社の収益は過去最高水準です。しかし付加価値額に占める人件費の割合である労働分配率は2012年度以降、低下しています。人件費の伸びを抑えながら利益を積み上げてきたと言え、デフレを脱しきれないのはそのせいだとの見方もあります。年々厚みを増す株主への利益配分とは正反対の傾向です。

 生産年齢人口の減少が顕著になり、サービス産業を中心に人手不足感が一段と強まってきました。1人当たり人件費が増えるのは必至で、このままでは労働生産性を高めないと、結果として株主の取り分も少なくなります。

 以上、皆様のお役に立てば幸いです。

 参照:

 付加価値とは 企業が事業活動を通じて新たに生み出した価値。原価明細を続けて開示している928社を対象に人件費+減価償却費+受取利息・配当金+営業利益(単独)で計算し、労働分配率の算出に使いました。

 労働分配率とは 付加価値額に占める人件費の割合。どのくらいが適正かは業種や会社の規模によって違います。日本の場合、好況時に下がり、不況時に上がる傾向があります。

 労働生産性とは 従業員1人あたりの付加価値額。数値が高いほど投下した労働力を効率よく使っていることを示します。

投稿者:株式会社コストダウン 日時:19:46 | 

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